バックパッカーというと、冒険旅行的なイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし、決して無謀な旅をするわけではありません。バックパッカー旅行の魅力は、費用をかけずにローカルでベタな経験をすることにあると思っています。
その前提として、安全に旅をすることはとても大切です。今回は、バックパッカー旅行を安全なものにするためのコツをまとめました。
1.人前でお金をチラつかせない
これは基本中の基本ですが、むやみやたらとお金を人前で見せつけてはいけません。両替やATMなどでお金を引き出すときも、なるべく銀行や両替商の建物の中で行うようにしましょう。
どうしても道端のATMなどでお金を引き出す必要があるときは、なるべく小さな金額にし、手早く財布にしまいます。
現金を盗まれるのは、両替の後が一番狙われやすいです。両替した直後は、スキを作らないように特に注意してください。
2.独りの夜タクシーは避ける
特に女性のひとり旅の場合、都市部を除いて、日没後のタクシーやバイクタクシーでの移動は避けるべきです。街灯もまばらな田舎道をタクシーで移動することは、「誘拐してください」と言っているようなものです。
場所と季節によって、日没時刻は日本人感覚とズレることもあります。事前に確認しておき、見知らぬ土地へ日没後に到着することは避けるようにします。
3.危険な場所には近づかない
どんなに治安が良いと言われるところでも、危険なエリアは存在します。危険な地区には立ち寄らないようにしましょう。もし間違って治安の良くないエリアに入ってしまったら、できるだけ早く立ち去ります。
4.宿泊先は教えない
これも、特に女性のひとり旅の場合ですが、どんなに親しくなっても現地の人に自分の宿泊先を教えてはいけません。
私は若いころ、観光地で話しかけられたフレンドリーな現地の男性に、うっかり宿泊先のゲストハウス名をもらしてしまったことがあります。
翌朝ゲストハウスの人に「昨夜、XXという現地人があなたの友人だと言って尋ねてきたけど、あなたの友人じゃないでしょ?」と言われたことがあります。
このときはレセプションの人が、機転を利かせて追い払ってくれましたが、もしゲストハウス側が彼に部屋番号を教えてしまっていたら、と思うとちょっとゾッとします。
5.緊急時のためのお金を隠し持つ
荷物を盗まれた、マネーベルトを盗られた、などの緊急時に備えて、緊急時のお金をこっそり隠し持つようにします。
私は18歳でバックパッカーデビューして以降、旅行中常に100USドル札を肌身離さず身につけています(場所は秘密です笑)。
6.パスポートコピーを持参する
パスポートはマネーベルトなどの貴重品入れに入れて持ち歩きますが、緊急時のためにパスポートコピーを別に用意しておくのもおすすめです。万一パスポートを紛失したとき、再発行が早くなるらしいです。
7.ゲストハウスの人と仲良くなっておく
ゲストハウスを選ぶとき、家族経営のゲストハウスは安心感があるのでおすすめです。
チェックインの時や観光に出かける時など、できるだけゲストハウスの人と仲良くなっておきます。 先にも書きましたが、ゲストハウスの人の機転でトラブルを回避できることがあります。
また、こちらが愛想よく話しかけても反応が悪いゲストハウスには、泊まらない方が無難です。
8.携帯電話を常に携帯する
携帯電話は、ローミングしていなくても緊急電話はできるはずです。普通の電話として使えないとしても常に携帯しておくのが安心だと思います。
9.違法行為には関わらない
海外旅行に出ると違法行為への誘惑も多くなります。麻薬、ドラッグ、密輸、売春、買春など、違法行為には関わらないようにします。特に売春、買春は、性病感染の恐れなどもあることをお忘れなく。
10.南京錠を用意しておく
バックパックで旅行するときには、特に南京錠を用意しておきましょう。これは、特にドミトリー利用で、ロッカーが利用できるときに便利です。
11.断るときはハッキリと
旅行中、現地で知り合った人に家に誘われたり、食事や観光に誘われることがあります。誘いにのるのも断るのも自己責任ですが、断る時にははっきりと断りましょう。
日本人の場合、ことばを濁して断るのが礼儀正しいという風潮がありますが、海外旅行に出たときには、下手にあいまいにしておかない方が安全です。「No」という毅然とした態度を取ることが大切です。
12.愛想笑いは不要
日本人特有の愛想笑いは、海外においてはマイナスの結果になることの方が多いです。特に、若い女性の場合、男性に対する愛想笑いは間違いなく誤解される原因になりますので、不必要に笑顔を振り向かないようにしましょう。
13.安ホテルよりもドミトリーが安全
海外の安いホテルやゲストハウスは、個室でもシンプルなカギしかついていないことが多いので、かえって身の危険を感じることもあります。
特に女性のひとり旅であれば、私は6人(女性専用なら4人)以上のドミトリーをおすすめします。ドミトリーはプライバシーという面では限定されますが、 他の旅行者といっしょという安心感があります。
以前、一人で格安ホテルの個室に宿泊した時、夜中にドアがノックされてとても怖かった思いをしたのを覚えています。それ以来、ひとり旅ではなるべくドミトリーを利用するようになりました。もちろん、ドミトリーも安全性を重視して選びましょう。
14.できるだけ行き先を伝えておく
先ほど、ゲストハウスの人と仲良くなっておく方がいいと書きました。 朝出かけるときや、チェックアウトのときに、「今日はどこに行くの?」「次の目的地は?」と何気ない会話をすることがあります。このときには、なるべく自分の行き先を告げておくことも、安全対策になります。
聞かれもしないのに、自分の行き先を告げる必要はありませんが、万が一トラブルに巻き込まれたときに、発見が早くなるからです。
15.飲食物を人からもらわない
旅行中は、他人から食べ物や飲み物をもらうこともあります。シェアしていっしょに楽しむことも旅行の楽しさですが、残念ながらこういったケースでの犯罪も報告されています。
基本的に、他人から飲食物をオファーされたらていねいに断る方が賢明でしょう。
もちろん、いっしょに分け合って楽しむことも旅の魅力ですが、そこは自己責任ですね。
安全に注意して楽しい旅を!
いろいろと書いたので、バックパッカー旅行ってそんなに危ないの?と思ってしまった人もいるかも。
あまり、ガチガチになって旅行を楽しめないのでは本末転倒になってしまいます。でも、慣れてくれば、徐々に危険な場所やシチュエーションが分かってくるものです。
そうやって、リスクアンテナを鍛えながら、バックパッカー旅行を楽しめるようになるといいですね。