昔、香港で働いていたとき、上司の日本人夫婦には二人の息子がいました。
両親は二人とも日本人なので、息子たちも純粋な日本人です。
しかし、香港のインターナショナルスクールに通ったのちアメリカに留学したため、彼らにとっての第一言語は英語でした。
日本語でのコミュニケーションもできる、つまりバイリンガルの子どもとして育ったわけですが、ある日、ふとした会話でこう聞かれました。
「かっぽうって、なんですか?」
私が以前、日本で割烹でアルバイトしていた…なんて話をしたときだったと思います。
「割烹」という日本語が理解できないことに、ちょっとびっくりしました。
「割烹って、わかりませんか?」
と聞くと、
「すみません。日本語は、知らない言葉が多いです」
というような返事が返ってきました。
コミュニケーションする分には問題ないようですが、NHKニュースは何を言っているのかわからないし、日本語の新聞も読めないのだそうです。
おそらく、彼らの両親は、海外移住したのちに英語ができないことのコンプレックスから、子どもたちをインターナショナルスクールに入れたのだと思います。
日本の学校であれば、小中学校を通じて、新聞読解に足りる漢字を習得します。
その部分の日本語教育(日本語で言う国語教育)を受ける機会を、彼らは得られなかったということなのでしょう。
子どもをバイリンガルに育てたいという親御さんは多いと思います。
でも、バイリンガル教育に固執し過ぎると、母語への理解が浅くなってしまうことを理解したうえで、教育方針を決める方がよいのではないかと思います。
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