最近、私が住んでいるところでは、雷を伴う嵐が頻繁に起こっています。
雷というと、空の黒々とした雲からピカッと稲妻が光ったり、空がゴロゴロなったり(雷鳴)と、日本語で表現しますよね。
稲妻の後、雷鳴までに時間がかかると、「雷が遠い」んだなと言ったりします。
さらに、私が小さい頃は、いい子にしてないと「雷様におヘソをとられるよ!」なんて、キテレツなことを言われたりして、日本語では「雷」は人格化(神格化)までします。
しかし、英語の日常会話で雷の話をしようとすると、「Thunder(雷鳴)」と「Lightning(稲妻)」を使いわけなくてはいけません。
ThunderとLightningは別物か?
ある日、旦那に、「雷が落ちる」というときは、ThunderとLightningのどっちを使うの?と聞いてみました。
すると彼は、木にダメージを与えたり、街に落ちて火事を起こすのは、「Thunder」じゃなくて「Lightning」の方だと言います。
そもそも、彼は私の質問の意図がよくわかっていなかったみたいで、「ThunderとLightningはまったく別物だからね、どっからその質問の発想が来るの?」と言いたげな感じ。
いやいや、だって元は同じ一つの現象(phenomena)でしょ。光か音かの違いというだけで。
「だから別物なんだってば。Thunderは音で、Lightningは光だから」
いや、だから元々は…、って平行線。
ThunderとLightningの使い分け
ちょっと前置きが長くなりましたが、日本語では空にピカッと光るのも、ゴロゴロなるのも「雷」と認識されます。しかし、英語では、ThunderとLightningを使い分けなくてはいけません。
雷鳴というときにはThunderを使い、「Did you hear the thunder(雷が鳴ったの聞いた)?」と言います。稲妻(光)の方はLightningを使い、「Did you see the lightning(今光ったの見た)?」と言ったりします。
ThunderもLightningも、どちらも不可算名詞で「a lightning」とか「a thunder」とは言いません。
雷を伴った嵐のことは、「thunder storm」と言います(lightning stormとは言いません)。stormは可算名詞なので、「There was a thunder storm last night.」と言ったりします。
「 雷が落ちる」はどういう?
日本語では雷が落ちると言いますよね。上にも書きましたが、木に落ちてダメージを与えたり、街や人に落雷して被害をもたらすのは「Lightning」の方らしいです。
Lightning struck a tree. 雷が木に落ちた
Lightning knocked out power. 雷のせいで停電した。
また、人間や家畜に落雷することもあります。その場合は「Lightning killed ~(sombody).」と言ったり、「(sombody) was killed by a lightning strike.」と言ったりします。しつこいようですが、lightningは不可算名詞、a lightning strikeは可算名詞です。
どっちも一つの現象から起こっている
それで、うちの旦那が別物だと言い張る「Thunder」と「Lightning」について、同じ一つの現象から生じるものだということを理解させたいわけです。
見つけたのがこちらの記事。
Lightning: Lightning is a huge electrical discharge that flows between clouds, from a cloud to air, or from a cloud to the ground.
Thunder: Thunder is the sound produced by the rapid heating of air by a lightning strike.
引用元:Thunder and lightning|Met Office
つまり、Lightningは帯電した雲が地上に向かって放電する現象で、Thunderはそれにも伴って起きる「音」の事であるということ。
そもそも、雷というのはどういう現象なのかについても調べてみました。
雷が起こるメカニズム
雷や落雷は、私たちにとって比較的身近な気象現象の一つですが、Wikiによると、残念ながらそのメカニズムは、未だにはっきりとは解明されていないようです。
分かっている範囲の説明では、上空の気圧が不安定な時にできる雲に静電気が発生し、それが地上に向かって放電したものということらしい。
このLightning(稲妻)、太陽の表面温度よりも高温で、摂氏3万度に達することもあると言います。そのため、放電が起こった周りの空気がその熱で急激に膨張し、振動するときの音がThunder(雷鳴)ということです。
ふだん日常的に静電気が起こるときにも「バチッ」と鳴ったりしますよね。その、大音量版ということでしょうか。
また、Lightning(稲妻)は光速で伝わりますが、Thunder(雷鳴)は音速で伝わるので、雷が発生した場所が遠いと、両者の伝わる時間のずれが大きくなります。それで「雷が遠い」と言ったりしますよね。
だからね、同じ一つの現象でしょ?
つまり、私が主張したかったように、やっぱりThunderとLightningは同時に起こるものであって、どちらか片方だけが発生するということはないはずなんです。
わかってくれるかな、うちの旦那。