Pei Ni氏の書いた「Why I Write Creatively in My Second Language」を英文で読みます。彼女は中国語(マンダリン)話者ですが、第二言語である英語で文章を書いているライターさんです。
私も自分で英文エッセイが書けるようになりたいので、「英語が第二言語」という共通点を持つ彼女の文章はとても参考になりました。
まずは彼女が英語で文章を書き始めるようになった、きっかけと初期の感想が書かれています。
When I began writing creatively in English, the decision seemed so automatic and unnaturally natural that for a long time I thought it was driven by the subconscious.
writing creativelyとは、論文や説明文を書くのではなく、創作的作品(文芸、小説、ドラマ、詩など)を書くことを指しています。
彼女にとって、英語でそのような創作作品を書くことは、automatic(自動的)で、unnaturally natural(不自然なくらい自然なこと)だったといっていますね。
subconsciousは「潜在意識、無意識」という意味になります。もともとは心理学用語ですが、英文を読んでいると頻繁に登場する単語でもあります。
Perhaps we exophonic writers are all victims to unresolved Freudian fears. Perhaps we cling to our second languages to escape buried childhood traumas that whisper in our mother tongues.
unresolved:未解決の
Freudian:フロイト派の
cling:しがみつく
traumas:トラウマ
whisper:ささやく
exophonicという言葉が出てきます。これは比較的新しい言葉で、英語の辞書にも載っていないかもしれません。ウィキペディアによると、このように定義されています。
Exophony is the practice of (normally creative) writing in a language that is not one's mother tongue.
要するに、母国語ではなく外国語を用いて、文学作品を書くという行為のことを指すようですね。we exophonic writers(私たちエキゾフォニックな作家)は...、と続きます。
Writing in a second language is never easy and can even feel masochistic at times.
masochistic:マゾヒスト、自己虐待、被虐的傾向
ここ、私の好きなフレーズ。「第二言語で文章を書くということは、決して容易ではなく、ときにはマゾヒスト的に感じることもある」まったくもって、同感です。
Perhaps my most important reason for persisting in spite of the difficulties is that writing in an adopted tongue is empowering.
persist:固執する
in spite of:にもかかわらず
adopted:適応された、自分のものとして受け入れられた
empower:力を与える
第二言語で執筆することは難しいのに、それにこだわってしまう理由が書かれています。
English is not my birthright, so every word and every piece of grammar have to be earned by hard work, like witchery, and sometimes smoke and tears.
birthright:生得権、本来備わっているもの
witchery:魔術
birthrightとは「生得権」と訳されていますが、ようするに、英語は私の母国語ではないということの言い換えです。第一言語ではないから、単語や文法の学習には骨を折る必要がある、私たち日本人にとっての英語も同じですよね。
そして、それは「witchery:魔術」のようだ、とたとえられています。その後につづく「smoke and tears」は、魔術や妖術を習得するときの煙やそれに伴う涙のことをほうふつとさせるためのものかな、と解釈しました。
第二言語で文章を書いてみようという人にとっては、とても勇気を与えられる素敵な文章だと思います。
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